どうも、おっさんです。
ある日、ウチの奥さんがぽつりと言いました。
「どうして日本には20年、30年先を見据えた政治家がいないの?」
政府がコロナ感染症対策の一環として行う給付金支給のニュースを耳にしたようです。
どうもこの手のニュースの場合、目先の選挙対策のバラマキとする論調が多いですね。ウチの奥さんならずともそう感じる方は多いのではないでしょうか。
池上彰さんなら
「いい質問ですねぇ」
と言ったかどうか。
私はしばし考えてこう答えました。
「それは選挙があるからじゃないかなあ」
だってさ、20年後のことを考えて着々と手を打っててもさ、1年後の選挙で負けたらすべておじゃん、振り出しじゃん。
どんなに素晴らしい理想や構想があっても、それを実行できる権力があってこそだろ、そうでなければ絵に描いた餅だよね。
だったら目の前の選挙に全力をかけざるを得ないよね。
昨今は特に悪者扱いされている中国やロシア、北朝鮮は独裁だよね。事実上。
これらの国で「次の選挙で政権交代が起きるかも?」なんて話は聞いたことがないじゃん。
で、我々は「独裁は悪、民主主義は素晴らしい」と無条件で思っているけど、本当にそうなん?
誰にも止められない独裁者がいたとして、その独裁者が国民の幸せを第一に考えるいい人だったら?
国民のためになる政策が問答無用でビシビシ実現していくよ。だけど民主主義だったら議会の議決が、関係住民の合意形成が、なんていって何十年も足踏み状態になってる政策がいくらでもあるじゃん。
ま、いい人が独裁者になる可能性は高くないだろうし、なったとしても権力が人を変えるかもしれないから、いざという時の歯止めのために選挙があるんだよね。
だから「日本の政治家は目先のことしか考えてない!」と一方的に批判するのはちょっとかわいそうな気がするんだよ。
だったらどうしたらいいの?と言われたら
「我々有権者が目の前のニンジンに惑わされず、長期的な視点で投票する」
という至極当然な結論にならざるを得ない。
だけど人間って弱いからねえ、特に昨今の不景気も相まって
「一人〇万円支給するよ!」
と言われて
「財政再建のため、私は辞退する」
とはなかなか言えないよね。
だからと言って誰かに
「20年間お任せするから、好きにやってください」
とも言えないしね。
結局さ、民主主義って選挙、つまり多数決が原則なんだけど、多数決で決めたことが最善手とは限らないよね。
「どんな結果になってもみんなで決めたんだからしょうがないよね」
というある意味「言い訳」を用意するための仕組みかもしれないね。
ウチの奥さんは「それもそうよねえ…」と渋々(?)納得した様子。
とどのつまりは権力とその歯止めのバランスの問題だと思います。が、いついかなる場合でも通用するその基準を明文化するのって可能なのでしょうか?
人類永遠のテーマかもしれませんね。