どうも、おっさんです。
以前、食品などの宅配をしていた頃のお話です。
毎週決まった曜日にお客様のお宅を訪問して受注した品物を届け、また次の注文をいただいていました。何の仕事だかほぼ見当がつくかも知れませんが、胸の内に納めておいてください。
そのうちのあるお宅は、ご主人がアメリカ出身の方でした。
何度か訪れるうち、あいさつのほかにも少しずつ会話をするようになります。
お互いに日本語と英語をチャンポンにして話が通じていたんですね。
ある日のことです。
例によってカタコトの英語で話しかけます。
「ユー、べーすぼーる、ドコガスキ?」
…ほぼ日本語のような気もしますが、
「オウ、ベースボール!ハンシンタイガースネ!」
「オウ!カープ!ツヨイネー」
なぜかアメリカの人と話すとこちらまで話し方がオーバーになりますね。
そこでふと、思いつきました。
せっかくだから広島弁を教えてあげよう。
私ことおっさんは生まれも育ちも広島だったんですね。
「イングリッシュ、ミー。ジャパニーズ、ワタシ。ヒロシマ、ワシ」
ミー、ワタシ、ワシ、のところで自分の顔を指しました。
「オー、ワシ!」
「イエース、ワシ」
なんだか気に入ってもらえたようで、上機嫌でその日は別れました。
そして次の週。
ご主人、なにやらすごく嬉しそうでした。
一緒にいた奥様いわく、パソコンでチャットをする機会があり、「ワシ」を使ってみたんだそうです。
「そしたら相手がたまたま広島の人で、すごく盛り上がったんですよ!」
と、お二人でニコニコしながら話してくれました。
これを聞いて私まで嬉しくなりました。
が、嬉しい一方、引き続いての“広島弁講座”で「おどれ」「カバチ」などを、と思っていたのですが、喧嘩になっちゃいけないな、とやめることにした次第でした。
ちゃんちゃん。