どうも、おっさんです。
時をかける少女、ご存じですね。
筒井康隆さん原作の小説で、主人公の女子高生が時間跳躍の能力を使う、いわゆるタイムトラベルものです。何度も映像化されていますね。
今回考察するのはそのうちのひとつ、1983年公開の映画の、同名主題歌についてです。
主演の原田知世さんが歌うこの歌を聴いていてふと、歌詞の一部が気になりました。
過去も未来も星座も越えるから
どういうことでしょうか。
タイムトラベルのお話ですから「過去も未来も」越えるのはわかります。
ですが「星座も越える」とは?
星座とは地球から観測できる恒星の位置関係を様々な図案になぞらえたもので、星座という確固とした「モノ」は存在しないんですね。
これが「山を越える」「川を越える」なら、陸路なら山や川に足を踏み入れ、その山や川が占める範囲を横断し、範囲の外まで移動する、といったところでしょう。ならば星座を越えるにはどこからどこまで行けばいいのでしょうか?
困ったときは原点に立ち返って考えてみましょう。
「星座を越える」。文字通り、星座を構成する恒星が存在する空間を飛び越える、ということにします。これならまさに「星座を越え」ていますね。
星座を構成する恒星は地球からも、それぞれの星も多くの場合は数百光年規模で離れています。1光年とは光が1年間に進む距離で、光は1秒間に地球を7周半しますので、それが1年間といいますととてつもない距離です。
当然、それぞれの星の地球からの距離はバラバラなので、星座が星座であるのは地球から見た場合のみということになります。
よって星座を越えるには出発点は地球でないといけません。
となると、地球を出発して星座を越えるには光速でも数百年から数千年を要することになります。
アインシュタインの相対性理論によると、物体が移動すると時間の速さが遅くなり、移動の速さが速くなるほど時間の速さは遅くなります。そして移動の速さが光速に達すると、時間の進む速さはゼロになります。
さあ、ここで女子高生が数千年かけて光速で星座を越えたとします。
移動中は女子高生の時間は進んでいないにもかかわらず、「星座越え」が完了してみると女子高生の周りの時間は数千年経っているわけです。
ん?
これって「時をかけ」てる?
このような一節にまでさりげなく映画のメインテーマを織り込んでいるとは。
さすがとしか言いようがありません。
おっさん、感服つかまつりました。